2017年2月2日木曜日

    鶴岡「森の保育フォーラム」に参加してきました。
「森林文化都市」を掲げる鶴岡市では、自然環境の中での体験を通じ、
子どもたちの豊かな感性や健全な心身を養うための研究を行っています。
   講師は、札幌トモエ幼稚園主任教諭の宮武大和さんです。
宮武さん自身田舎育ちで、経験してきた楽しい遊びを子ども達に伝えたいと思い保育の世界に入ったそうです。
   遊びの中の危険を「リスク」と「ハザード」に分けて捉える考えは参考になりました。
リスクは、子ども自身がわかっている挑戦可能なもの。
ハザードは、到達経路まで含め、自分で対処しようがないもの。
   トモエ幼稚園の園庭には、使われなくなったバスが2台置いてあり、
バスとバスの間隔を120cmにして、子ども達が飛び越えているそうです。
バスの屋根に自力で登る身体能力のある子どもは、120cmを飛べると考えたそうです。
リスクかハザードかは、その子供によって違う。
リスクは残し、ハザードは排除する必要があるが、リスクまで取り除いてしまい、遊びの中で子どもが学ぶ機会を奪っていると話していました。
   酒田市の園長が、庭に雪の山をつくり滑り台のようにしたら、職員から危ないと言われやめたことを残念がっていました。トモエ幼稚園は、ベテラン教諭が多くその中の意志統一がなされており、保育の場面でも、職員間の温度差というか、意思統一の課題がでるようです。
 「子育ち」と「子育て」は車の両輪。
子育ちは、子どもがすくすく育つ環境を整えること。育つのを待つこと。
子育ては、サポートがあったり、みんなと一緒であれば成長・発達できる。親が子どもを育てるという意識になりがち。
  トマトの種は、トマトになるプログラムが内蔵されています。環境は、水、太陽の光、土。トマトは、水を与え過ぎない方がいい野菜です。
  人も人生の設計図がDNAに書き込まれています。それが自然に花開く環境と学び合いの場を創ることが今の教育に求められています。
 宮武さんは、子どもが育つ環境で大切にしていることは、子どもを評価し過ぎないことだと話しています。ほめることで、大人の意をくみとり親に合わせる危険性も指摘していました。
鶴岡の保育園で取り組んでいる写真には、田んぼで稲を刈ったり、釜でごはんを炊いたり、山できのこをとったりしている姿が写し出されていました。
都市と違い庄内の自然が豊かなことは、地域の宝物だと強く感じました。
この豊かな自然の中で、どんな子育ちの環境をつくればいいのだろうか。